株式投資講座(改訂版)反転フォーメーション反転フォーメーションとしては、ヘッドアンドショルダーズ、 ダブル・フォーメーションが良く知られています。 |
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図に示すヘッドアンドショルダーズ・トップ(H&S-T)フォーメーション
は文字通り頭と両肩からなる。
日本では、三尊(左肩:普賢、頭:釈迦、右肩:文殊)として一般に良く知られている。
サポートライン(SL)とチャンネルライン(CL)に沿って上昇した後、
ある時点で上昇がチャンネルラインに届かなくなり、頭を形成した後下落し、SLを割ってしまう。
その後、値を戻そうとするため右肩が完成するが、SLあるいはその下で勢い尽きて反落する。
頭と両肩の交点を結んだラインをネックライン(NKL)と言うが、
NKLを切った後、再度上昇を試みる局面(リターンムーブ)が現れるが、NKLを越えられず再度反落する。
このフォーメーションでは、左肩で出来高が最大となる。その後、出来高は徐々に減少するが、
NKLを切った頃から再度増加する。このパターンでは、NKL付近の出来高次第でフェイリャー(Failure:失敗)が発生することがある。
リターンムーブで出来高を伴ってNKLを超えた場合は、H&S-Tの形成が失敗し新たな波動が始まったと考えられる。
また、H&S-Tは5分足のパターンとしても頻繁に現れる型であるが、5分足の場合はフェイリャーの発生頻度も高い。
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ヘッドアンドショルダーズ・ボトム(H&S-B)・フォーメーションは、
レジスタンスライン(RL)とCLに沿って下落した後、
H&S-Tフォーメーションとは上下が完全に逆転した形状で反騰するパターンである。
H&S-Tフォーメーションと異なる点は出来高であり、c波がNKLを越えた付近から急増する。
またH&S-Bでもフェイリャーが発生することがある。
このケースでは、リターンムーブで出来高を伴いながら、NKLを下抜け、
その後はそれほど出来高が増えることなく新たな下げトレンドへ入って行く。
H&S-Bは5分足のパターンとしてはH&S-Tほど頻繁に発生しないし、発生した場合でも様々な
パターンのフェイリャーを伴うことが多い。これは、一般的に底形成パターンでは、天井形成
パターンに比較して出来高が低いため、僅かな需給バランスの崩れで価格変動を起こしやすい
ことに起因していると考えられる。
ダブル・フォーメーションはH&S-TあるいはH&S-Bに比較して、より出現頻度が高いパターンであり、
5分足分析でも頻繁に観察される。
ダブルトップは、
エリオット波動第5波がフェイリャー
を起こしたケースである。フェイリャーは相場の典型的な反転信号であり、
H&S-Tに比較して急速にネックライン(NKL)を割り込む。その後リターンムーブはあるものの、
NKLを越えることが出来ず、さらに下値を模索することになる。ダブルボトムはダブルトップの
上下を反転したパターンであるが、出来高が異なる。即ちダブルトップの場合、
最初の高値(エリオット波動第3波)で出来高が最高となるが、
ダブルボトムではNKLを越える付近から出来高が急増する。
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