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エリオット波動原理・一目均衡表・トレンド分析から日経225の株価変動を予測します。
日足・週足・月足からの株価分析例 <日経225の分析例>
ここでは、日足および週足から、今後の
日経225の変動を予測する上でのポイントを解説する。
まず週足を見てみよう。この図は、
トレンドライン分析
の解説で使用したものであるが、
サポートライン(SL)であったSL7が、2004年10月および2005年3月の強力な
レジスタンスライン(RL)に変化していることがわかる。
SL7は2003年7月からスタートした長期の
トレンドラインであり、
このラインによるレジスタンスはかなり強力であると考えられる
(ラインの引き方により価格帯は11,500円~12,500円と差が大きいので注意)。
次に日足を見てみると、こちらもかつてSLであったSL2がRLに変化しており、11,800円~12,000円で抵抗になっている。
したがって、上昇して行くためには、まずこのSL2を超える必要があるが、
この直上には週足のRLであるSL7が控えている。したがって、この価格帯を抜けるには相当のパワーが必要である
と考えられるため、当面は上値が重い展開が予想される。しかし、下値は日足の雲で支えられているため、当面の安値
は雲下限の11,600円程度と予想される。
次に
景気循環の視点から
日経225の動きを考察する。
日経225の上昇トレンドは、2003年5月から始まっており、
株価のサイクル分析(解説は省略)や
エリオット波動原理から考えると、
図に示す通り、現在の位置として次の2通りの可能性が考えられる。
- 設備投資循環の中のエリオット波動第1波および第2波を通過(1回目の在庫循環が完了)し、
2回目の在庫循環に入りかけたところ。即ち、エリオット波動の第3波中の第(1)波(図のX点)。
- 設備投資循環の中のエリオット波動第2波(1回目の在庫循環中)の終盤。
即ち、エリオット波動第2波中の(b)波(図のY点)。
もし、前者だとすると、中期的には上昇基調が続くと考えられる。上抜けるため、
一旦、軽く価格調整あるいは日柄調整し、上記週足のRLの価格帯(11,500円~12,500円)
を突破するエネルギーを蓄える必要がある。
しかし、もし後者だとすると、ある程度の期間、調整があった後に、2回目の
在庫循環に突入することになる。
従って、上記週足のRLの価格帯(11,500円~12,500円)を一気に突破する可能性も含まれている。
いづれにしても、今後2,3年は上値を試した後、下降トレンドに向かうであろう事が
エリオット波長原理から読み取れます。
株価やテクニカル分析に絶対はありません。テクニカル分析ではサプライジングなニュース発表直後の
株価動向の予測には全く対応できません。したがって、どんなに好調である場合でも、
常に最悪の事態を考え、取るべき行動を決める等柔軟な対応ができるよう準備しておいて下さい。
<2008年7月加筆>
上記予測、XあるいはYかどうかは微妙なところですが、いずれにしても長期波動の第1波動終盤か、第2波動序盤で有ったことは
間違いなかったようで、その後株価は上昇し、2007年6月に
エリオット波動の人気買いが終了し、下降トレンドに入りました。
当面は一時的な反発はあるものの下値模索が続くでしょう。
<参考文献>
- 日本テクニカルアナリスト協会編, 「
日本テクニカル分析大全
」, 日本経済新聞社,2004年8月2日,第1版1刷.
- 林康史, 「
エリオット波動―ビジネス・サイクル
」, 日本証券新聞社,2000年6月1日,改訂新版.
- 「
会社四季報CD-ROM2008年3集夏号
」, 東洋経済新報社.
- アルバート-ラズロ・バラバシ(青木薫訳),「
新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
」, 日本放送出版協会, 2002年12月,第1刷.
- ジェイク・バーンスタイン(青木俊郎訳),「
投資の行動心理学
」, 東洋経済新報社,2003年8月,初版.
- ピーター・リンチ(酒巻英雄監訳),「
ピーター・リンチの株式投資の法則―全米No.1ファンド・マネジャーの投資哲学
」,ダイヤモンド社, 2002年3月, 第11版.