株式投資は簡単に儲かるの?
株式投資は誰でも簡単に儲かるものではありません。
株式投資で勝つためには、情報収集力、分析力、決断力や
運気を信じる謙虚な心を兼ね備えた方のみが勝利の美酒にありつけます。
結論から言うと、株式投資は十分な知識と準備の無い投資家が簡単に儲けられるものではありません。
仮に、幸運にも一時的に利益を上げたとしても、勝ち続けることは至難の技であり、結局、トータルすれば
マイナスというケースは多々あります。
例えば、リスクの高い株に投資する方は、運が良ければ一時的に大金を手に入れる可能性はあります。
しかし、こういう方は、次も同じような投資姿勢で望むでしょう。そして、リスクの高い株にさらに大金を
投資することになるでしょうから、いずれは大きな損失を被ることになります。
筆者もかつて、株式10分割の恩恵を受け、3日間で1000万円の含み益を抱えた経験があります。
3日連続のストップ高でした。この時、既に株式の勉強を始めていましたので、酒田五法の
「三空踏み上げに売り向かえ」の教訓を頭では理解していましたが、これを実行出来ず、
さらに買い増してしまいました。それ以前に他社の10分割のケースにおいて、
四空、五空と上昇していた例を見たためです。
結局、その後大幅に下落し、全て売却した時点で何とかプラスで終わることは出来ましたが、
貴重な時間と神経を使った見返りとしては僅かなものでした。
もし仮に、今、同じような幸運にめぐり合えたら、間違いなく三空付近で全株売却するでしょう。
また、仮にその株が四空、五空と上昇しても決して後悔はしないでしょう。
理由は簡単です。他の低リスクな株式で儲ける自信があるからです。
イタリアの経済学者ヴィルフレッド・パレートが提唱した「80対20の法則」をご存知でしょうか。
- イタリアの国土の80%は人口の僅か20%の人たちが所有している
- 企業の収益の80%は従業員の20%があげている
- 犯罪の80%は犯罪者の20%が犯している
等の表現が使われています(参考文献(4)参照)。正確に調査した訳ではないのですが、恐らく投資の世界でも
「利益の80%は20%の投資家があげている」というのが現実ではないでしょうか。
株式投資で勝つということは、可能な限り「株価上昇率の期待値が高い企業を正確見出し、これをタイミング
よく売買する」ということに尽きます。こうすることにより、リスクを最小限に抑え、利益を最大限に伸ば
すことが可能になる訳です。また、これを実現するためには、速やかで正確な情報収集力・分析力および決断力
および運気を信じる謙虚な心、
が非常に重要であり、この優劣で利益に雲泥の差が生じることになります。
速やかで正確な情報収集力と分析力
- ここで言う情報とは、内閣府が発表している景気動向指数等のマクロ指標や企業自身が発信する業績見通し
等のミクロ指標を含むファンダメンタル指標だけではなく、株価の方向性を見極めるテクニカル指標を含みます。
それぞれファンダメンタル分析およびテクニカル分析として、現在では確立された分析手法となっています。
速やかで正確な決断力
- 近年のネット取引の拡大により、従来に比較して株価の動きはより速く、また集中するようになって来ました。
したがって、前項の分析で選択した株式の売買をタイミング良く行わなければ高い利益を得ることは出来ません。
ただし、常に秒刻みの決断が必要であるのはデイトレを含む短期トレーダーだけであり、一般の投資家、
特に日中マーケットに参加できないサラリーマン投資家は1日単位の決断でも十分利益を上げることが可能です。
また、タイミングよく決断できない方は、心理的なトレーニングも必要になって来るでしょう。
運気を信じる謙虚な心
- 投資経験の長い方であれば思い当たることがあるでしょうが、「どうやっても勝てない時期」というのがあります。
全体の景気は良いけれども自分の利益は周囲に比較して、かなり低いという時期です。これは、あなたの運気が悪いのです。
「科学的な分析の世界に占いの世界の話を持ち込むのは的外れ」と思われる方もいるかも知れませんが、大きく利益を
あげるには、実はこの運気は非常に重要で、これに逆らった無謀な投資を行うと大きな痛手を負うことになります。
この運気は、こちらの運命チャートで簡単に
知ることが出来ます。
4000社に及ぶ上場企業の中から、株価上昇率の期待値が高い企業を正確に見出し、これをタイミングよく売買する
行為を継続出来る人だけが高い利益を勝ち取れる訳ですから、相当な努力が必要になります。
幸い、Web技術の発展によりかなり多くの情報が手軽に入手できるようになり、またコンピュータ技術の発展
によりテクニカルチャート描画やテクニカル分析が比較的簡単に出来るようになりましたので、上記第1項に対
する機関投資家と一般投資家の格差は殆ど無くなったと言えるでしょう。したがって、このサイトで、技術的・
心理的な両面を磨けは、機関投資家のスーパートレーダー以上の成果を上げることも可能になるでしょう。
<参考文献>
- 日本テクニカルアナリスト協会編, 「
日本テクニカル分析大全
」, 日本経済新聞社,2004年8月2日,第1版1刷.
- 林康史, 「
エリオット波動―ビジネス・サイクル
」, 日本証券新聞社,2000年6月1日,改訂新版.
- 「
会社四季報CD-ROM2008年3集夏号
」, 東洋経済新報社.
- アルバート-ラズロ・バラバシ(青木薫訳),「
新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
」, 日本放送出版協会, 2002年12月,第1刷.
- ジェイク・バーンスタイン(青木俊郎訳),「
投資の行動心理学
」, 東洋経済新報社,2003年8月,初版.
- ピーター・リンチ(酒巻英雄監訳),「
ピーター・リンチの株式投資の法則―全米No.1ファンド・マネジャーの投資哲学
」,ダイヤモンド社, 2002年3月, 第11版.