株式投資入門
目 次
- 株式投資入 その1 -
1.はじめに
2.株式とは
3.株式投資の始め方
3.1 資金を貯める
3.2 口座を開設する
3.3 マーケットとその性格を知る
- 株式投資入 その2 -
4.投資銘柄の選び方を知る
4.1 「割安成長企業」の選び方を知る
4.2 「お買い得企業」の選び方を知る
4.3 「高利率企業」の選び方を知る
5.売買のタイミングの見極め方を知る
1.はじめに
大学生の息子から、「株式投資に興味があるけれども、お父さんのページは初心者には難しすぎる」
との意見をもらいました。
デイトレはともかくとして、
若者が株式投資に興味を持つことは大変良い事だと思いますので、このページを始めることにしました。
アメリカでは、株式投資を教育の一環として取り入れている小学校もありますが、
日本では昔から金儲けの話を露骨に出すことは胡散臭く思われて来ました。
しかしながら、高度成長や人口増加をバックグラウンドとした年金に頼れる時代ではなくなりましたし、
金利も限りなくゼロに近く期待できる状況ではありませんので、
今後は、自分の資産は自分の投資技術とスキルで運用する時代だと思います。
ここでは、「これから株式投資を始めようと思われている方々」および「すでに始めているが良く理解できない」
という方々のために、出来るだけわかりやすく解説したいと思います。
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2.株式とは
会社の事業を大きくするためには資金が必要ですが、この資金を不特定多数の投資家からお金を集めるために
会社が発行するのが株式です。商法上、株主(株式の保有者)が「社員」と呼ばれ、この「社員」で構成される
会社が株式会社です。ちょっと奇妙に感じるかもしれませんが、会社で雇用されている「従業員」は、
自社株を持っていなければ、商法では「社員」とは呼ばれません。
また株主は、取締役に会社の経営と運営を委任している訳ですから、損失を被らないよう、
以下の項目について取締役の行為をしっかり監視しなければなりません。
- 成長計画を立て、これを達成するために正当な運営をしているか?
- 競合に勝つために正当な運営をしているか?
- 会社の業績は、計画通り伸びているか?
- 不正行為も含め、会社の利益を損なう行為を行っていないか?
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3.株式投資の始め方
3.1 資金を貯める
まず、頑張って資金を貯めて、余裕のある資金で株式投資を行って下さい。
1ヵ月後に必要な生活資金や会社運転資金では、絶対に株式投資はしないようにしましょう。
心にゆとりがなければ、冷静さが保てず勝ち続けることは不可能です。
資金の額としては、10万円程度からでも可能ですが、
50万円程度貯めてから開始する方が選択肢が広がります。
資金が溜まるまでは、この講座で勉強を進めて下さい。
また、十分な資金が溜まっていなくても証券会社に口座を開設することは可能ですので、
次項に解説する方法で証券会社を選択し、口座を開設しておきましょう。
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3.2 口座を開設する
株式を売買する方法はいくつかありますが、一般の投資家が売買するには、
口座管理料が不要で売買手数料も安いネット証券がいいでしょう。以下、
筆者が主に用いているネット証券とその特徴を簡単に記述します。
-
マネックス・ビーンズ証券
2005年5月からマネックス証券と日興ビーンズ証券が合併しました。
従来、「夜間取引が出来る」、「手数料が業界最安値水準」という特徴がありましたが、
今後ますます期待できます。
後発のネット証券会社ほど、魅力的なサービスを提供してくれます。「手数料が業界最安値水準」、
「株式投資情報が無料」、「3ヶ月間株式手数料無料」などの特典が魅力的です。
- イー・トレード証券
手数料は比較的安く、四季報やチャート表示機能も備えているが十分とは言えない。
ある一定基準を満たさなければ「QUICKリサーチネット」
(QUICK社の証券・金融データサービスとアナリストレポートを融合させた、証券・金融リサーチレポートサービス)
も有料になる。また、筆者が現在使用しているOS Windows XP Professionalに標準装備のInternet Explorer6.0では、
表示速度が極端に遅く実用に耐えないという問題が発生しているため、現在ではNetscape7.1で接続している。
この問題点に対する、同証券の回答は「システムを再インストールしてくれ」とお粗末なものだった。
- その他手数料の安い証券会社が目白押し:資料請求して選定してください
- 楽天証券(旧DLJディレクトSFG証券)
個人投資家に定評のあるマーケットスピード(リアルタイム株価自動更新機能を提供した
オンライントレーディングソフトウェア)は、顧客に応じた表示のカスタマイズが可能であり、また
四季報やニュースもかなり充実しているため、お勧めです。
しかし、手数料はそれほど安くないので頻繁に取引する方には適しません。
ただ一つ、新興のネット証券では弱い部分が
IPO投資だと思います。
初公開ですから、急速に成長している会社も含まれており、
過去のしこり(例えば、株価が上昇し、ある価格帯で多量の売買が成立した後下落した場合、その価格帯を
抜けるのに時間がかかる)もありませんから、
IPOの
ファンダメンタルズ
(IPOの場合は目論見書が公開されます)を参考にうまく選定すれば、数日で株価が数倍になることもあります。
このような株を購入する場合は、幹事証券の仮条件価格を参考に、価格と希望株数を証券会社に申し込みます。
これをブックビルディングと呼びますが、ブックビルディングへの申し込みは幹事証券にしか出来ません。
さらに幹事証券の中でも、主幹事証券が扱う株数が圧倒的に多くなりますので、
主幹事証券会社に申し込むほど当選確率が高まることになります。
例えば、イー・トレード証券のように、
抽選に外れれば外れるほど当選確率を高めるシステムを導入しているネット証券もありますが、
主幹事証券になる確率は高くありませんから、IPOの抽選に当選する確率も高くはないのです。
IPOの当選確率を根本的に高めようと思えば、野村證券、大和証券SMBC、日興シティグループ証券、新光証券等、
主幹事証券になる確率の高い証券会社を選ぶことです。
ただし、売買手数料は、ネット証券に比較してかなり割高になります。
「大手証券ほどサービスが良い」という神話を信じている方も多いと思いますが、
これは必ずしも正確ではありません。多額の資産を預けている方は別として、
一般の投資家に対するサービスはネット証券と大差ありません。
むしろ、悪質な情報に振り回される危険性さえあると思います。
大手証券のセールスマンに、「この株は50万円まで上がりますよ」と言われれば、
信じる人も多いのではないでしょうか?このようなケースは、「オレオレ詐欺」とは異なり、
訴訟で勝つことは難しいので注意する必要があります。株式投資はあくまで自己責任です。
「大手証券のセールスマン=株式投資のスペシャリスト」ではないことを認識して下さい。
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3.3 マーケットとその性格を知る
以上の項目で、株式投資することは可能になりました。しかし、まだ投資しないで下さい。
綿密な調査をしないで投資してしまうと、貴方が苦労して貯めた資金を紙クズにしてしまう可能性があります。
じっくり待つことも、優秀なトレーダーが備えるべき条件の一つです。
代表的な投資対象としては、以下のマーケットがあります。
ただし、JASDAQ、マザーズおよびヘラクレスの中には順調に業績を伸ばし、
すでに大型株に成長している企業もありますので、上記分類は一般例と考えて下さい。
大型株と小型株の株価変化の特徴は異なり、この特徴をあらかじめ把握しておくことは重要です。
左図は2003年1月から2005年3月までの
TOPIX(大型株)および
JASDAQ INDEX(小型株)の変動を、2003年1月10日の株価を基準に表したものです。
このグラフから、以下のことが読み取れます。
- 大型株に比較して小型株の変化は遥かに大きい。
- 大型株に比較して小型株はキー・リバーサルが明確である。
即ち、小型株は一度上昇し始めると上昇トレンドが続き、反転日以降急落する。下降トレンドの場合も同様である。
- 大型株と小型株は連動して動くが、相関性はそれほど高くない。
以上から、小型株はうまくトレンドに乗ると大きな利益を得る可能性もあるが、
逆に急激に下落するリスクも高いので注意が必要であることがわかります。
小型株を売買する場合はこの点に十分注意して下さい。
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