フォーメーション分析とは
株価トレンドが継続するか、それとも反転するかの判断にはフォーメーション分析が役立ちます。
継続フォーメーションに属するか、または反転フォーメーションに属するかを見分ければ良い訳です。
株h式投資について、初歩から勉強してみたい方は、
株式投資入門からお入り下さい。
株価変動はフィードバック制御系に類似している部分がある。
例えば、車の速度制御系を考えてみよう。たとえは、信号が青に変わって、目標速度を60km/hと頭の中で
設定したとしよう。ゆっくり加速すれば、徐々にアクセルを踏んで目標速度に近づくが、
急加速した場合は一旦目標速度を越えてしまい、ゆっくりアクセルを戻すことになる。
一旦目標値を越えた後、徐々に目標値に近づく現象は、オーバーシュートと呼ばれる。
さらに運転が下手糞だと、目標値近辺で加速・減速を繰り返し、なかなか目標速度に近づかず、
速度が不安定になる。これがハンチングと呼ばれる振動現象である。
株価変動では、業績の上昇修正等のサプライズニュースがあると、株価目標値が急上昇する。
このため株価は急激に上昇し、間違いなく目標値を行き過ぎる(オーバーシュート)。
さらに、行き過ぎた株価は調整を伴うが、この時は狼狽売りを誘うことになりハンチング現象を起こすことになる。
従って、株価変動チャートのパターンは、制御システムチャートのパターンに類似した部分があり、このパターン分析
を体系的に整理したのが、フォーメーション分析である。ただし、株価変動は制御系に比較して、
はるかに多くの外乱を含んでいる上、株価目標値も投資家により異なるため、挙動がさらに複雑になる。
株価の長期トレンドが上昇あるいは下降であっても、株価は常に上昇または下降するわけではなく、
必ず修正トレンドと呼ばれる逆のトレンドや、長期間に渡ってボックス圏内で変動する横這いトレンドを経て、
再度上昇したり、あるいは反落したりする。株価トレンドが継続するか、それとも反転するかの判断は、
株式投資において最も重要な判断の一つである。トレンドが継続する場合のチャートの形態を
継続フォーメーション
(Continuation formation)と呼び、
反転する場合の形態を
反転フォーメーション
(Reversal formation)と呼ぶ。
継続フォーメーションと反転フォーメーション
<参考文献>
- 日本テクニカルアナリスト協会編, 「
日本テクニカル分析大全
」, 日本経済新聞社,2004年8月2日,第1版1刷.
- 林康史, 「
エリオット波動―ビジネス・サイクル
」, 日本証券新聞社,2000年6月1日,改訂新版.
- 「
会社四季報CD-ROM2008年3集夏号
」, 東洋経済新報社.
- アルバート-ラズロ・バラバシ(青木薫訳),「
新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
」, 日本放送出版協会, 2002年12月,第1刷.
- ジェイク・バーンスタイン(青木俊郎訳),「
投資の行動心理学
」, 東洋経済新報社,2003年8月,初版.
- ピーター・リンチ(酒巻英雄監訳),「
ピーター・リンチの株式投資の法則―全米No.1ファンド・マネジャーの投資哲学
」,ダイヤモンド社, 2002年3月, 第11版.